PTPの映画を観てきた。
日本のラウドロックの礎を築いたバンドで、ボーカルの急逝で活動を停止したバンド。
1行で書くとこんな感じに味気ないが、音楽は記憶と結びつき、個々人に取って特別なものとなる。
僕にとっての彼らは青春のヒーローだった。
憧れが過ぎ、19歳の頃にやってたバンドなんかは今聴くと明らかに『薄いPTP』だ。
正確にはボーカルのKがその前に組んでたGUN DOGの影響の方が時期的には強いけれど。
GUN DOGは本当に衝撃だった。
洋楽に負けないくらいの重低音。
シニカルな世界観のPV。
なによりKの華と美声。
この手のジャンルに『圧倒的な歌唱力』という概念をもたらしたのは、間違いなくKとチェスターだと思う。
…書いていて2人とも世を去っていることに切なくなってしまった。
正直狂ったように聴いたのは2作目くらいまでで、その後はアルバムのリード曲みたいな曲はハマる程度の温度感だったが、やはりKの他界はショックだった。
またしても私情と結び付いてあれだが、1番一緒にKの声を聴いていた件の親友が世を去った後だったから余計に。
そんなPTPが映画になる。
子供が産まれてから映画館にはシンエヴァを観にくらいしか行っていなかったが、ちょうど公開初日に研修で都会へ出ているという運命的なものも重なったので、意を決して行ってきた。
正直号泣するには、時が経ちすぎていたのか、僕が歳を取り過ぎていたのか、至らなかった。
しかし、僕の青春を、バンドサウンドの指向性を、劇的に変えた彼らがこうやって『最終回』を形にしてくれたことには、とてもグッときた。
メンバーの急逝という誰の意にもそぐわない終わり方をしたバンドが、その足跡全てを曝け出してくれたことに感謝と尊敬を抱いた映画だった。
ずっと頭にあったわけでは無いが、完全に一区切り付いた。
もしかしたらメンバーにもそういう意図があったのかなと思う。
さようならPTP。
PTPよ永遠に。