Dr.T's room

相談員を生業とし音楽家を生き甲斐とする2児の父の話

ライブ前記〜画策するおじさん〜

来月、Ez.K & the Nora Sound Systemでレコーディングをする。

ちゃんとしたレコスタで録るなんて、10年以上ぶりだ。

以前「不滅のリフレイン」という記事で書いたが、僕は25年飽きもせずバンドをやっているので、レコーディングは初めてでは無い。

ガキの頃に2回(全員でせーので1発録りみたいな簡易録音込みだと4回)、大人になってから2回経験している。

ガキの頃のレコーディングは、なかなかの修羅場だった。
当時はDAW(パソコン上で音楽を編集する方法)では無かったので、まず最初にリズム隊(ドラムとベース)を一緒に録ったのだが、18歳だかの僕たちには「メトロノームに合わせて一曲丸々通すこと」がとても難しく、多分2曲で10時間くらいかかった。

出来上がった音源を200%くらいの音量で聴くと、ボーカルが「…いい加減次で決めよか」って吐き捨てるように言ってるのが残っちゃってるくらい、時間がかかった。

大人になってからのレコーディングはそこまで苦労した記憶は無い。

2010年代になると、DAWでのレコーディングに完全に移行していたから、パソコン上での修正や「ミスった箇所だけ録り直す」みたいなことも容易になっていたし、なにより流石に18歳の僕よりは上手かったから、そんなに事件も無く終えられた気がする。

さて、8月に初ライブを終えた僕たちがなぜレコーディングに踏み切ったか。

単純に「土日に休めそうもない」メンバーが出来たからだ。

我々は正真正銘の社会人バンドである。
全員、定職に就いている。
そして全員家族を養っている。
なんならもう四十路なので、ほぼ全員管理職だ。

世の中には、土日こそ繁忙期という業種が山ほどある。
小売店なんかがそうですね。

誰がそれだとかまでいちいち言わないが、この度、うちのメンバーの小売店勤務の奴が「新店舗の立ち上げ」を任された。

立ち上げって、僕も自分の管理する事業所でやったけど、まぁまぁ社会人として鉄火場だと思う。

鉄火場にいる奴に「まぁそれはそれとして、ライブしようや。日曜有給とって♫」とは、流石に言えない。

だって、そっちがメインで、こっちはとても大事ではあるけどあくまでサードプレイスだから。

なので、僕たちは発想を逆転させることにした。

「そいつの公休に合わせて、平日全員で有給取ろうぜ。RECでもしちゃう??」と。

管理職混じりの、おっさん5人の集団が、平日に有給取って、家庭の用事でも、仕事に結びつく某でもなく、ただ音楽を録音する。

最初の論調から言うと、頭がおかしい。
常軌を逸している。


でも、休み取れちゃったから。全員。

思う様、権利を行使して趣味に溺れようと思う。

これで金稼いだり、のし上がったりしたいわけじゃない。

でも安くない金払って、予定を調整して、僕たちはそれに臨む。

ただただ良い音で残したいのだ。
今のEz.K & the Nora Sound Systemを。

こんなアホみたいなこと、誰かの熱量が低かったら実現しないので、おそらく全員その行為にときめいてるはずだ。

なら、今録るべきだ。
バンドなんて水物だし、僕たちは日々日々大変忙しいので、この感じでやれるターンもそこまで長くないだろう。

だから、アラフォー5人のEz.K & the Nora Sound Systemが、熱量がわりかし揃っているこのタイミングで一回それを残す…という行為には、相当の意味と享楽が潜んでいる匂いがする。


やりますよ、俺は。
ワンテイクでベース録り終えてみせますよ。

あーでも、普通に楽しみだ。
自主練重ねて臨もっと。


では、「こいつらREC大丈夫か?」って出来のゆるゆる音源です。
お聴きください、Ez.K & the Nora Sound Systemで
「Mellow〜Realtime anthem(Studio session)」

 

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まだ書けるはず

僕はバンドマン(ベースマン)だ。
でも、夜な夜なラップを書いて、日々の喧騒の隙を見て録音して、わざわざMVまでこさえて、YouTubeに上げたりしている。

ライブは今のところ一切する気がない。
ベースを持たずに人前に立つことが恥ずかしいからだ。

研修講師みたいな仕事も多いから、人前で喋ることに抵抗は無いが、いざステージでマイク一つとなると、考えただけで顔が赤くなる。
まぁひとえに「腹が座ってない」としか言いようがないからなので、この先「俺の歌を聞いてくれ」という覚悟が決まったら、もしかしたらやるかもしれない。

話を戻して、でもラップは書く。
楽しいし、体調が良くなるからだ。

ラップというフォーマットは、ロックやポップスと違って、一曲に込められるセンテンスが段違いに多い。

メロディに乗せる前提の言葉と違い、ラップは「言葉そのもの」が主役だ。

そして、これは僕の解釈だが、ヒップホップは「自分自身のことを歌ってこそ」的な精神が根底にある。
(秀逸なストーリーテリングラップも世の中には星の数ほどあるけれど)

「言葉」と「自分自身」が主役だから、誤魔化しが効かない。
でも逆に言うと「僕の全ての語彙を使って、僕が考えていることや僕がどう生きているかだけを表現出来る」というのは、とても贅沢な営みな気がしている。

40歳になると、仕事も、家庭も、人間関係も、本当に色々ある。

例えば、ラップで娘のことや息子のことを書いたことがある。
そりゃ、曲にしたためるくらいのエピソードだから、綺麗な話になる。
でも、現実は綺麗なことばかりじゃないので、リリックに書いた僕の態度とは真逆の態度で子供と接したりなんて、日常茶飯事だ。

昔倉橋ヨエコも言ってたが、夜は自己嫌悪で忙しくなる。
あれは違った、あんなことを言うべきではなかった…と日々晩酌中悶々としている。

でも、それでも、リリックにしたためた僕の感情は、絶対的に僕の本音のはずだ。

だから、ラップとして外在化するという行為は、一種の「戻るべき灯台」を作る行為な気がしている。

これからも、僕は死ぬほど悩んで生きていくだろう。
なんなら、悩みすぎて最近えづきがひどい。

でも、僕はこれからも灯台を沢山打ち立てるだろうから、迷わず生きていける…と思う。
というかそうあって欲しい。

ウジウジとしたことを言ったが、何が言いたいかと言うと、ただひとつ。
「俺はまだまだ書ける」です。

それでは聴いてください。
Dr.Tで「Writer's delight」

Lyric&Beats:Dr.T

【verse1】
芽が出る出ないの話じゃない
果たすこと果たしても書く気あるかどうか
俺ならdo it.即答で答える
悶える昨日今日明日をラップする

悲喜交々 紆余曲折
あるよ各々 都度の重圧
それらすべからく創作と直結
職権なら濫用せず

直感あとは感受性がkey
極論俺は生きてりゃ詞が書ける
セルフボーストじゃなくただの事実さ
軽く蹴るverseに人生が滲んだ

ないものねだりはしない男の
書く物語が揺らす鼓膜を
『書きたいから書く』ただそれひとつ
生業こなし尚走り出す硬筆

【hook】
Writer's delight 書いたなら近い
虚飾無く語る等身の美学
掛け値なく 映えるバズるを超越
fighterじゃなく gangでもない
ワンライフ生きる渾身の文学
逆巻く現場をただ超えていく
Writer's delight
Writer's delight
Writer's delight
Yo 書くほどに近付く
Writer's delight

Writer's delight
Writer's delight
Writer's delight
近付くなら書くだけ
Just be writing

【verse2】
外部刺激無くガンギマる 
感極まり歓喜の涙流す
簡単な話さ 根幹と対話
疑問符→感嘆符を体感

カッとなる前に6つ数えクールダウン
合法的薬効を約束
ライカ葛根湯 過去の葛藤と
袂分かつこの作曲法

感情の外在化が最大の快楽
創作に取り憑かれた俺は傀儡か?
応答する声もまた 俺の体内から
『ブルースなら履いて捨てるほど書いた』

その上に打ち立てる渾身のグルーヴが
この上なく奮い立たす そう信じ組んでる
高密度の言葉×硬質なスネアは
オービットの外までも届く
もっと高く

【hook】
Writer's delight 書いたなら近い
虚飾無く語る等身の美学
掛け値なく 映えるバズるを超越
fighterじゃなく gangでもない
ワンライフ生きる渾身の文学
逆巻く現場をただ超えていく

【outro】
Writer's delight もう下がらない
Writer's delight まだ上がるはず
Writer's delight いまだあるはず
Writer's delight 俺に書ける曲

Writer's delight 思い上がらない
Writer's delight でもあるはず
Writer's delight なら迷わず
Writer's delight be right,just write...

 

※解説
僕が出来る精一杯のセルフボースト。
僕がラッパーとして人に誇れることは「筆が止まらない」ことしかないので、こんな形になった。

Beatsは、最初バンド用にガレバンで作ってたのだが、なんかこのリリックが乗せたくなってきて、結局バンドじゃ鳴らないホーンとか逆再生とか沢山並べて、自分用に完成させた。

MVは、もう最初の録音ブースの風景以外、全部字面-JIZURA-で作った。
なんか今までと比べて一瞬で済んでしまったから手抜き感も少しあるけど、いうてこんな曲「言葉が主役」以外のなんでもないし、まぁいいかと録った翌日にUpしてる次第である。

ちなみにバンド版は、僕の原曲をEarlyoakが魔改造してくれて、Ez.Kがラップを乗せてくれて、既にデモが出来上がっている。
そちらもいずれ世に出すので、ご期待ください。

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言葉とDr.T

言葉を扱う仕事をしている。

校正だとか、文筆家だとか、そういう方面ではないが、僕の仕事は「対話」で90%くらい成り立っている。

もちろん目の前にいるクライアントに対してもそうだし、部下に何か言う時も、会議で話し合う時も、データを見て云々とかじゃなくて、基本的には、肉声でのやり取りが主だ。

これは「相談援助」という僕の生業(&組織の風土)がそうさせている。

こういう仕事にも、もう少しマニュアルを導入した方がいいだとかそういう風潮は確かにあるけども、今回は話の軸がズレるので割愛する。

とにかく、僕は「僕が感じたこと、思ったことを目の前にいる人に伝える」というその一点に、社会人としてのリソースをほぼ割いている。

大分特殊な仕事だとは思うが、不器用だから技術職は出来なかったし、闘争心が低いから背広を着てノルマを追う…みたいなことも出来る気がしなかったので、結局、僕がまともに出来る仕事はこれしかなかったのだと、20年経ってみて思う次第である。

真心と、口だけで、苦節20年、やらせてもうてます。

こんな仕事だから、言い回しにはとても気を遣う。
同じ結論のことでも、特性の違う人に伝えるのは、真逆の伝え方をしたりもする。

部下も様々な性質を持っているので、自分の部署が大事にしたいこと、今期成し遂げたいことを伝えるのは、個々人によって言い方を変える必要を感じている。

思春期に読んだ中島らもが、今とても血肉になっていると感じる。
ヤンキーばかりの中学校時代、僕は価値観を丸ごと外に逃していた。
「絶対に、腕っぷしが強い奴より、本たくさん読んでる奴の方がかっこいい」
この価値観が、あの頃僕の唯一の装備品だった。

中島らもは、本当に優しい人だ。
どんなにクズでも、生きづらくても、すべからく生きてていい。価値なんかなくても、生きてていい。
そんなスタンスを少年Tは感じていた。

そんな僕も、もう40歳だ。
偏った経験値だとは思うが、だいぶ人生を経て積んできた。

でも、あんまり価値観はあの頃と変わっていない気がする。
いつだって、カルチャーは暴力に勝るし、どんだけ生きづらい奴でも生きてていいし、生きやすくなることを求める権利があると思っている。

僕も生きやすい口ではない。
本当に365日、なにか悩んでいるし、バンドでスタジオ入ってる時間以外は、大体奥歯に力が入っている。

でも、僕はあの時らもに教わったから、僕自身も、僕の目の前に現れた人も、皆すべからく「その自分を抱えたまま生きてりゃいい」と知っている。

さて、今日はそんな歌です。

聴いてください。Dr.Tで『My words』

Lyric:Dr.T
Beats:Ez.K

【verse1】
その昔どっかの誰かが言った
『人類最大の発明は文字だ』
完全に同意だ こちら少年T
自意識こじらせたガチの中二

日に焼けた紙もしか滲んだインク
何由来か知らんが充満するfragrance
十万じゃ聞かない膨大な索引
赴く興味に従い貪り

読み耽るエッセイ、ノベル、マイソロジー
触りだけで脱落 レジェンド純文学
やはり原点なら例の瘋癲だな
永遠も半ば過ぎた今もどっかのバーに

何が言いたいかって言うと今俺が吐いてる
言葉の大半はこの時に集めた
読み込んで染みついた先人の言葉を
俺なりのフィロソフィーを込めて放つのさ

【hook】
The words for my life
The words save my past
鳥カゴの鳥ならぬ飛び立たぬ若雀
着々と時過ぎる悶々とした日々よ
The words for my life
The words save my life
ライブラリーで見つけた確かな天秤
『カルチャーは確実に暴力に勝る』

【verse2】
ブルーカラー ホワイトカラーどれも性に合わない
できる気がしない 故に選んだ生業
感情労働の襟は何色だ?
とりあえず置いといて話を進めるか

『言葉を聞く』ことが全てのこちとら
全身耳にしてなお生まれる聞き漏らし
『本心を聞く』には本心で聞く
『どうしたって気になる』と直に伝える

こうしたらこうなるってハウツーは無いから
人×人の解は方程式にならない
到底割に合わない…とは言えない
人の生に直に触れる贅沢な商売

verseも終わりかけ 冒頭の自問に
頭脳内に浮上した自答を与えよう
相対したあなたの声色を映すから
この首元の襟は決まった色を持たない

【hook】
my words won't bind you
my words stand by you
推し黙る時間さえも雄弁と捉えるから
奥の奥の声をただ一緒に聞かないか
my words won't bind you
my words stand by you
言葉を尽くし尽くされて たどり着く
核となる言霊はあくまであなたが

【verse3】
いつかの少年も今や職業人
矜持と責任抱え乗りこなすTwo face
性分と職分が合致した今もなお
物足らん衝動をここに表そう

解放のサードプレイスを俺は確かに持ってる
衝動は音となり響くアンサンブル
しかしあと一滴 インクをくれないか
俺が俺のことだけを書き綴るために

【hook3】
my words from my life
my words save my life
象られた価値観を編み込み型作る
カリグラフの筆跡は確かにオリジナル
my words from my life
my words save my life
書き残す原点も生業も矜持も
歌詞と成すことで瑕疵は消えていく

【outro】
浄化槽 ショウケース 整理する感情
そうかもう情熱は2度と消えないんだな
浄不浄 超越 歳重ね到達
言葉と 共に生きる my life

※解説
リリックは上で全部言っているので割愛。
Beatsが、我がバンドEz.K~の首魁、Ez.KことMC.Kの余りビートだったことが特筆点。

「なんかノリで作ったら柄じゃないのが出来てもたわー」と飲み会で聞いたので、「そのビート俺にくれよ」と言って、元々ストックにあったこのリリックを乗せたら、めちゃくちゃ親和性高かったので、そのまま本録りした。

あとテロップ制作に、Xで話題になっていたアプリ「JIZURA-字面-」を使わせていただいた。
デザインはおまかせでやったけど、曲に合わせてリリックタップしてるだけで、超楽しかった。
世の中には野生の天才がいっぱいいる。

 

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ライブ後記〜円熟する縁〜

Ez.K & the Nora Sound System、初ライブ無事終えました。

楽し過ぎた。
課題はもちろんいっぱい出てきた。

音像にしろ演奏にしろ、もっと詰めるべきところは山積みだ。

正直観客は結構いたから、そのバフは相当効いてる。

バンド数が9バンドと多く、演者だけでも相当な人数になったし、僕たち(っていうか僕は今のメンバーの全人間関係のハブなので、僕がほとんど呼んだんだけど)のお客さんも結構いた。

でも、楽しかった。いい夜だった。
それに尽きる。

今、僕が、人に見せたいバンドは、あのバンドだと胸を張って言える確信を持てたと思う。

元々は、メインバンドだったCalm brakeに育休者が出たことで始めたバンドだったが、ちょっとこれは辞めらんないので、今後もやっていく心算でいる。

Ez.K & the Nora Sound Systemは、図らずも僕の全ての人間関係の集大成と言えるバンドとなった。

ドラマーは小4からの付き合いで、MCは高校の同級生。共に初めてのオリジナルバンド、釈迦凡人をやった。
ギターとは、社会人バンド期にmixiで出会い、共にVOLTAをやった。
キーボードのEarlyoakは、29歳の時職場の同期として出会い、インストバンドNANAIROや、ボカロユニット四方山夜咄を経て、今また一緒に音を鳴らしている。

観客として来てくれた友人たちもそうだ。

幼馴染
高校の同級生
バンド仲間
社会人

全ての時代のキーマンがあの場にいた。

方々で「久しぶり!卒業式ぶりちゃう!?」だの、「○○さん、今音楽やってんすか?」だの、言葉が交わされていた。
とても嬉しかった。


僕は人生に意味を乗せたがる。
本当に乗せたがる。なんでも意味ありげな形にまとめがちなので、悪癖だとすら思っている。

でも、その悪癖でもう一つ乗せると、今回対バン相手に友人がいた。

16年前に世を去った、親友ボーカリストの幼馴染であるベーシストで、今は90年代V系のバカウマコピバンをやっている。

彼との22年ぶりの対バンという、ストーリーも、一個乗っかっていた。

共に地方のライブハウスの狭い人間関係の中で、同じ青春を過ごした。
共に奴の喪失を分かち合い、今も命日付近には一緒に飲んでる。
共にベースという楽器を選び、漢字は違うものの、偶然ファーストネームも一緒だ。


僕と彼が、17,8歳で出会ったあの日から今に至るまで縁を解かなかったから、昨夜は生まれた。

僕の音楽と人間関係の集大成となった昨夜のきっかけは、彼に帰結する。

ちゃんと本人にも恥ずかしげもなく伝えたが、感謝したい。

僕は彼とも、昨日集まってくれた友人たちとも、ずっと繋がり続けた半生を、とても価値のあるものとして捉えている。

この先も、こうあることを願う。

…さて、こんなしみじみしてる流れをぶった斬る動画をご紹介して、筆を止めましょう。

Ez.K & the Nora Sound System、初のライブ映像です。

我々の名乗り曲「Stray Sound System」、ぜひご覧下さい。

 

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ほぐされたDr.T

人生で初めて「整体」に通っている。

Dr.T40歳、体重は100kgを超えているワガママボディである。

仕事は、人の話を聞き、それを支援計画や記録に落とし込んだりなんじゃかんじゃしているので、思っ切り座り仕事が主だ。

おまけに、うちの子たちは僕にしがみついて寝る。

これで腰が悲鳴を上げない方が嘘だ。

先週末、訪問先から辞去する瞬間、腰に激痛が走った。

「いった!」って声が出て、クライアントに「え!?なに!?どうしたの!?」と心配されるくらいの声量だった。

その翌日に長距離運転をするタイプの家族旅行を控えていたので、このままではまずいと思い、プロを頼ることにした。

幸い、ギックリ腰とかでは無かったが、僕は体の使い方がだいぶ間違っていたらしい。

右半身にずっと力が入っている状態だったそうだ。

施術の中で「整体」とは、脳に「正しい力配分を思い出させる業」であると教わった。

なるほど、どうして具合が良い。

長距離運転も難なくこなせた。

今日2回目の施術に行ってみたが、体を捻るときに使う筋肉も正しい感じにしてもらったので、寝返りが大分楽になった。

何事もプロはすごい。

僕も、国家資格を持って、専門職と呼べる仕事をしているが、僕の仕事は口と真心で成立している感が無くはないので、あぁいう風に「手技」でプロ性を有している人には、ちょっと憧れる。

話を僕の体に戻す。

右に偏りすぎている事実は知らなかったが、弛緩していない感は、正直ずっとあった。

やっぱり、家庭も仕事も気が抜けない。
子育て期×管理職って、なかなか大変だと実感を持って言える。

事業所の数字や、クライアントの支援について日々頭を悩ましながら、家では家事や育児に奔走している。

となってきたら、やっぱりバンドがライフハックなのだと痛感する。なんなら整体ですらあるかもしれない。

僕は、何回もここで話しているが、スタジオ前後の数時間だけは、一切心身が緊張していない。

ただただ、音と言葉を楽しむおっさんになれている。
いや、おっさんでもないかもしれない。

あの数時間だけは、バンドやり立てのハイティーンになっている気がする。
(休憩中は家庭や仕事や体調の話で持ちきりだけど)

人と大きい音を出すのが、心底楽しい。
これがあるから、他の音楽活動も、家庭も仕事も頑張れる。

それがもう、人生に組み込まれた回路となっているのを、プロに体をほぐしてもらって、逆説的に気付いた…そんな不惑の夏の1ページでした。

それではゆらゆらにほぐれてるDr.Tをご覧ください。ライブ前、最後のリハ映像です。
Ez.K & the Nora Sound Systemで
「Song digest(R8.7.25rehearsal)」

 

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喪失との距離感

親友の16年目の命日を迎えた。

16年経ってるから、流石に無駄にエモくはならない。

当たり前だが、気持ちの整理なんてものは、とうについている。

仲間と飲んでバカ話をしたりはしたが、それくらいだ。
生きてりゃどうだったかみたいな話もしたのはしたけど、しんみりすることもなく、笑って別れた。

奴のことは3年前に、曲にしたためた。
その時に気付いてしまったのだが、僕は「喪失」をテーマにした曲なら「手癖」で無限に書ける。

思えば、20代の頃、バンドの歌詞でやたらと離別についての小咄を書いてたのも、24歳の時のあの喪失体験がもたらしたものだったのかもしれない。
…いや、あれは、思春期に聴き狂っていた90年代V系の流儀に則ってただけかもしんないが。

 

この曲も、そんな曲になるはずだった。
半年くらい前、音楽生成AI・Sunoに「適当に書いたメロラップを編曲してもらおう」と思い、5分くらいで書いたメロディとリリックだった。
タイトルも適当に「インスタント秋」と付けたまま、リリック帳で寝かされていた。

 

そこから半年経った先月、飼っていた黒猫が亡くなった。

黒猫は、結婚してから妻が道で拾ってきた猫で、9年一緒に暮らした。

僕は別に動物が嫌いでもないし、好きでもない。
だからそれこそ「猫可愛がり」なんて、全然してなかった。

でも、9年同じ家に住んでいた生き物がいなくなるというのは、結構な喪失感がある。

僕がバンドや飲み会で深夜に家に帰ると、決まってあいつが起きてきて、餌をねだった。
僕が子供を寝かしつけてから、暗闇のリビングで飲みながら1人時間を楽しもうと起き上がる時も、決まって付いて来て、餌をねだった。

あいつがいなくなってからのこの1ヶ月、夜はやけに静かだ。

酔い潰れて帰って来て、寝室に行かずソファでゴロついてても、全然何も起きない。
胸の上の重みも無けりゃ、なんだか鼻に付くケモノ臭もしない。

僕が心底可愛がっていたとかいないとか、そんなことは関係ないのだと気付いた。

居るのが当たり前だった存在がいなくなったら、自動的に胸にはその形の穴が空くのだ。

半年前に作った「インスタント秋」に、verse3を付け足した。
トラックなんて影も形も無かったが、GarageBand謹製Apple loopsで、感情に合うトラックを急造した。

なんでも芸の肥やしにするのは、節操が無くて嫌だが、今完成させておきたい気持ちがムクムク沸いたので、娘の参観有休の午前中で、歌録りも済ました。

僕はいいおっさんなので、感情の整理に自己表現を選ぶのは、ダサいのかもしれない。

でも、なんだかやりたかった。
なんでもない手癖で書いた曲に、後から付いてきた現実に対して抱いた感情を乗せるってのは、今までやったことがなかったし、なにより、夜の静けさを埋めるなにかが欲しかった。

さて、今日はそんなしみったれた曲です。
Dr.T史上最バラードかもしれません。
共に暮らした、黒くて、小さな、いつも腹を空かせていた隣人に捧げます。

 

Dr.Tで
「Instant Autumn」

Lyric&Beats:Dr.T

【intro】
意味のない感情
手のなる方へ
ふざけて遊ぶ
子供のように
時計は前に進むしか無いと
わかっていながら
後ろを振り向く

【verse1】
日々更新する痛みや苦味は
意味深かってほど含みを持たせる
君のいない日々にも慣れたが
右を向くんだ もう誰もいないのに

教科書には載らない感情
評価軸よりこういうこと教えろよ
どうしたって思い出す もしかを手繰る
タイムマシンなんて出来るはずもないのに

皆はどうしてんだろう
今ではもう過去のこと?
「こんなこともあった」でそれからを邁進?
「こんな過去を乗り越えて今の俺がある」?

どうしてもそう思えずに
今でも夢物語
年甲斐もなくただ思い耽んだ
「後悔があった」とかじゃ別にないんだけど

【hook】
意味のない感情
手のなる方へ
ふざけて遊ぶ
子供のように
時計は前に進むしか無いと
わかっていながら
後ろを振り向く

【bridge】
1,2,3,1,2,3,4
乾燥した羅列に意味を持たせる
1,2,3,1,2,3,4
共通の言語×旋律の魔法

【verse2】
そこかしこに薫る過去の残滓
散逸することなく確かに残る
旋律に残すことがもたらすのは
決して消えず脳内にこびりつくまじない

この感情はひどくありふれて
口にすることも憚れていて
わかっちゃいながら口から溢れ出す
手垢ついた言葉だけどやっぱ「惜しい」

【hook】
意味のない感情
手のなる方へ
ふざけて遊ぶ
子供のように
時計は前に進むしか無いと
わかっていながら
後ろを振り向く


【verse3】
君のいない夜 やけに静かで
耳残る呼び声 これはいつまで?
意味持たぬノイズと切り捨てた声まで
今になって気付く言の葉の数
仰向けになって見上げる天井
やけに良好な視界に閉口
胸に残る重みと鼻につく匂いも
今や懐かしい幻の中

【hook】
意味のない感情
手のなる方へ
ふざけて遊ぶ
子供のように
時計は前に進むしか無いと
わかっていながら
後ろを振り向く

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初夏に残暑をお見舞い

Ez.K & the Nora Sound System、ライブ決まりました。

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大都会梅田にて、コピー、オリジナルバンド入り乱れるデイイベントに出演します。
全10バンド中7バンド目なのに、出番は17時スタートという健康タイムテーブル。

これはちょうどいい。
全くもって翌日に響かない良い出順だ。

楽しみである。
ライブは、2年ぶりだろうか。

最近、僕にとっての音楽活動の意味付けについて、チャッピー(chatGPT)と整理してみた。

僕には
①バンドマン(もといベースマン)
→今はEz.K & the Nora Sound System
②ラッパー
→ソロラップ
③コンポーザー
→自分のラップのトラックメイクが主。たまにバンド用も書く
④メロディメイカー
→今のバンドはラップ中心だからほぼやってないが、20〜30代のバンドのメロディはほぼ僕が書いている。あと、ボカロユニット・四方山夜咄でも担当
⑤リリシスト
→ソロラップ、過去バンド曲、四方山夜咄
の5つの役割がある。

 

③(コンポーザー)は、僕は和音楽器がマジで弾けないので、サンプリング中心の作曲をしている。
これは、なんと言うか「パズルゲーム」に近い。
音楽ソフトに入ってるループ音源をそのまま使うことも、既存の音楽から抜き出してループを作ることも両方あるが、キー変えたり、逆再生したり、なんじゃかんじゃ試行錯誤していると、どこかで「正解が出る音」がする。
ゼルダのあの音みたいな感じだ。

 

④(メロディメイカー)もこれに近い。
僕は、バンドやユニットの相方が作ったギターリフやオケにメロディを乗せるという工程を担うことが多いので、良くも悪くも原曲(オケ、リフ)の縛りがある。
その中でこれまた「正解を探す作業」をするので、「大喜利」みたいな感覚でやっている。

 

⑤(リリシスト)はめちゃくちゃ自由度が高い。
なんせ、僕の音楽仲間は、歌詞に本当に興味がない。
だから、バンドにせよボカロにせよ、好き放題、曲から浮かんだ小咄を書いている。

 

②(ラッパー)は、完全に自己整理だ。
まずリリック自体、(例外はあるけど)ほぼ全ての曲で「自分の話」しかしていない。
それを、自分の声で歌って、曲として外在化する。
これは、なんだかわからないけど、本当にデトックスになる。完パケ録り終わった後、ちょっと体調よくなるもの。
だから、体調悪い奴は、全員ラップしたらいいと思う。
37歳から始めたが、あんな営み、昇華以外のなにものでもないと感じている。

 

さて、最後に①バンドマン(もといベースマン)の話だ。
実は、結局これが1番重要なのだ。

バンドは、複数人でやる。
うちのEz.Kで言うと、全員40歳前後のおっさんが5人集まっている。
普通、おっさんが5人集まってやることは、大体「会議」か「飲み会」だ。
人によっては、ボウリングや草野球もするかもしれない。

でもバンドは違う。
おっさんが集まって、「せーの」で、ただただ大きい音を、同じタイミングで鳴らすのだ。

 

この「野良感」わかりますか?

いい大人が、大きい音を出すんです。

 

こんなにも、字面が矛盾している文章があるだろうか。

 

そしてまさかの話だが、ちゃんとタイミングが合って出した大きな音は、気持ちがいいのだ。

②〜⑤までが、僕にどんな作用をもたらしているか、上に長々書いたが、結局僕が人に生で見て欲しい活動は、ここだけだ。

 

いい大人が出す大きい音で、お盆の梅田で遊びましょう。

こっちは楽しいので、見てる人も楽しんでいただけると幸いです。


では、ライブ決まって嬉しくって作ったMVをご覧ください。
ブログタイトル回収の、季節先取り曲です。
Ez.K & the Nora Sound Systemで
「September」

Lyric&Music by Ez.K
Arranged by Earlyoak & N.S.S

【verse1】
日中長めの日本中
四六時中の酷暑に項垂れてたものの
和らいだら何か退屈
足早な夕暮れに抱く喪失感
俯いた向日葵 鳴き出したひぐらし
やり残した花火...
やたら懐っこいモズのさえずり
衣替えのちょっと前の山の佇み
まだまだ暑いからTシャツに短パン
けど何かどこかうわ滑った感覚
i wonder why てんでわからない
揃ったメンツもいつもと変わらない
嗚呼そうか最近のこの高揚は
暑さに踊らされてたってことか
長い様で短かったモーメント
夕立あとの濡れた公園

【hook】
毎年毎年もううざったいのに
過ぎし日に思い馳せる空蝉
まだまだちょっと遊び足りないのに
time goes on
time goes on

【verse2】
雲の形もうっすらと変わっていく
どこかどうだとかわからんが変わってる
久方ぶりに通しだすシューレース
磨きたてのハイテクローテク履いて歩いていく
今日もバース蹴る
相も変わらずRECする1テイク
白いキャンバスに言葉をはめてく
山の木々には赤みが増してくる 
年々暑さとの闘いね 
今年でおれも37回戦
終わりを告げようとしてる今
独特の感傷に耽る皆
ネバイナフ 無いものねだりな
手のひら返す like a day dreamer
yoスチャでもダラダラ聴いたサマージャムを
既に懐かしむ 夏深しかな

【verse3】
裸になり肌焼いたり
冷やしたビールが何かちょっと温かったり
水かけたりかけられたり
したり顔の君の笑顔が眩しかったり
やたらと晴れたり ゲリラに打たれたり
予定外のスタバでまったり
紺碧の浴衣にグッとなったり
思い出すストーリー 夏の終わり
宴も酣 秋の始まり
朝晩が冷えてきたね たちまちに
街並みの雰囲気が変わったり
虫の音色も優しくなったり
フルムーンの夜長も悪くない
移りっ気が早いね You know what I mean?
秋なら秋で何しようか
彼岸には奴に会いに行こうか

【hook】
毎年毎年もううざったいのに
過ぎし日に思い馳せる空蝉
まだまだちょっと遊び足りないのに
time goes on
time goes on

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