そう言えば、音楽の話をまるでしていないことに気が付いた。
これではいけない。Dr.Tは音楽家なのだ。
音楽に言及しなければ。
しみったれたエモーいエッセイばかり書いていては、いけない。
郷愁タグばかり活用していてはダメだ。
というわけで、今日はミクスチャーロックの話をしようと思う。
まずミクスチャーロックとは何か。
音楽の1ジャンルである。
ちなみにこの言葉自体は和製英語であり、英語圏では通用しない。
言葉そのものを和訳すると『ごちゃ混ぜロック』となるが、そういった音楽がミクスチャーロックとカテゴライズされることはあまり無い。
実際に世に認知されているミクスチャーロックの定義は『ロックバンドが奏でる音にラップが乗っている音楽』だ。
海外では『ラップコア』や『ラップメタル』と呼称されている音楽を、日本では『ミクスチャーロック』と呼んでいる。
ちゃんとwikiとかを見ずにノリで書いているから間違いはあるかもだが、海外ではrage against the machine、日本だと山嵐やBACK DROP BOMB等がパイオニアに当たり、世に広く認知されるきっかけとなった金字塔的存在だと、limp bizkitやDragon Ashがそれに当たる。
僕はミクスチャーロックが大好きだ。
15歳で初めて山嵐の『山嵐』を聴いた時、とんでもない衝撃が走った。
その曲は不穏なベースラインから始まる。
そのベースラインにベースに負けないくらいの重低音のギターとドラムが絡み付く。
なにかが始まる予感がする。
そしてたっぷり溜めたイントロが明けた第一声が
『やってきたぞ山嵐登場 片っ端から投げ散らすぞ』だ。
『何かがやってくる…!』という空気満載なイントロの後に『やってきたぞ!』と言われるとこっちは『やってきたー!』となる。
すごくIQの低い文章を書いているが、ほんとなる。
というかまず、歌詞でここまで直球な自己紹介を聴いたことが無かったので、そこにまず度肝を抜かれた。
山嵐は今でも第一線で活躍しているが、今でもライブの一曲目は『山嵐』らしい。
そりゃそうだ。あんなにもかっこいい自己紹介を僕は他に知らない。
未来永劫やるべきだ。やってきたなぁ!ってなるし。
僕がミクスチャーの何が好きかと言われると、『音圧と言葉数』に尽きる。
僕はマッチョイズムやヤンキー魂とは程遠い男だが、男ではある。
男は『強い』とか『硬い』とか『ギザギザ』とかが好きなのだ。
ミクスチャーは上に挙げたような言葉がよく似合う音像だ。
重くて硬くて尖ったロックに、矢継ぎ早で強気なラップが乗る。
僕が好きな音楽は
ビジュアル系(00年代前半まで)
ミクスチャー
ヒップホップ
エモ
ポストロック
大別するとこの5ジャンルだが、ミクスチャーには特に『男の子』を刺激された気がする。
なんかバトル漫画や特撮ヒーローに近い感覚を持っている。
否応無く燃えるっていうか、アガるっていうか。
また、ミクスチャーは演るのが格別にいい。
僕は今まで7組ほどのバンドをやったが、そのうち4組がミクスチャーバンドだった。
自分のベースとバスドラがバッチリユニゾンしていて、その上にギターが乗り、その上にマシンガンみたいなラップや壮大なメロディが乗る。
その瞬間が、僕は生きてて一番解放される。
さて、そんなDr.Tの最新ミクスチャーバンド『Calm brake』は絶賛製作中である。
過去のバンドの曲のリメイクで一度ライブはこなしたが、次のライブは全曲Calm brake名義の曲でステージに立つつもりだ。
なにせ全員おっさんのパパバンドなのでゆっくりではあるが、曲は着々と出来上がっている。
デモ音源の編曲、MIXは全面的に僕の管轄だが、リフやラップが届くたび、ワクワクして仕方ない。
しかし、不惑前にもなって、まさか自己表現でこんなにも生活が彩られるとは知らなかった。
日々の色々をこなしながら、こんなにも打ち込めることがあるなんて、歳も取り方次第なのだなぁ…としみじみ感じた。
数年前に出た再録版